変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

TFBL『塔の獣』の美しい獣

どうも、今回はBL漫画『塔の獣』です。
まずは無料で32Pほど読めるコチラをどうぞ。

comic.k-manga.jpc

ちょうどシーケンスまで読めますのでこちらをオススメしたいところ。

まず私が知るこの作家さんについて少しお話ししたいと思います。
かの作者さんのサイトはこちらです。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~doggydog/

現在はブログサイト状態ですが、以前は普通にHTMLで組まれたサイトでした。
なぜそんなことを知っているかというと、
お恥ずかしながらこの作者さんのおっかけじみた行動をしていて、出版物などを購入していた経緯があります。仕事の過酷化とパソコンの故障からしばし見失っていたのですが、このブログ記事を書くにあたり、久しぶりに検索しました。
続刊の出ていなかった本が電子版として読めると書いてあったので、近いうちに購入しましょう。
同人作品も非常に好きでした。絵とお話がマッチしているというか。
他にも獣人ではないのですが動物の名前を冠したメンズのイラストが色々あったのも懐かしいです。
と、ただ懐かしんでいるわけではなく、おそらくご本人としては不本意であろうとは思いながらも、狼男アメリカンハウリングを検索すると絶対にページが当たるので、そちらも紹介してしまいたいわけです。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~doggydog/talk/wereworfreport-1.htm

こちらから2ページ分読むことができます。

当時の私はまだ10代で、ツイッターmixiも無かった時分ですから、自分がTF(という言葉も無かったので自分の中では獣人化とか言ってました)好きであるということに対して肯定的になれなかったわけです。おかしい、いや、今だってそうだろうけれど、普通の趣味ではないのだ、と。
しかしこちらのサイトで様々な獣人に触れ、こうした記事を読むにつれて、なるほど、同じ者が好きな方もいるのだ、という安堵を得たことは大きかったです。もっと言えばそれが自分と同じ女性であったことは非常な安心感を得ました。
私は以前からTFBLを推し続けていますが、その一部に少なからず含まれてきた要素は、こちらのサイトにあったとも言えるのです。

 

ではざっくりうろおぼあらすじです。
物乞いのルッカはある日馬車に轢かれかけ、貴族のエドガーに助けられます。何を気に入られたのかエドガーの家に招待される。下男にしてもらえるかと思うがどうやらそうでないことに落胆するルッカ、しかしエドガーは友人や家族のようにルッカを側に置く。それだけでは申し訳ないという申し出に、エドガーは屋敷から離れた場所にある塔にいる獣に餌をやってほしいと頼まれる。美しい漆黒の獣に見とれてしまったルッカは、ある日その檻を開けてしまう。獣は家畜や人を殺し、村人がその血痕を辿って屋敷にやってくる。さらには出かけていたはずのエドガーが血まみれで屋敷の中に現れる。ルッカエドガーと共に二人塔に向かうが……

という↑のサイトを見れば読めるお話。
その後獣がエドガーであることを知り、ルッカの機転でエドガーの身は無事になりますが、その土地を離れます。そして二人は旅に出る…というのが大体の筋です。

 

とにもかくにもエドガーの変身はセクシーだし獣は美しいしで読み応えもあります。
さらに他のTFするキャラクターも現れ、その人物のTFの具合も個人的にはツボにハマる。
言ってはなんですが一冊読み切りのBL漫画にありがちな「それからも二人は穏やかに〜」というよくある終わり方こそしますが、そもそも本当の別種動物になるタイプのTFがBLの世界に持ち込まれたことが非常に有意だと思います。
別記事で紹介している『SEX PISTOLS』がその点が若干あやふやなのに比べれば、こちらの方が個人的な性癖にはクリティカルヒットです。
今後も何かこういった趣向の作品をお描きにならないかと、気になってしまうところです。
以上、『塔の獣』でした。