変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『聖剣伝説3』ケヴィンと美獣

どうも、先日レトロフリークを購入してテンションが上がっています。
今回は『聖剣伝説3』、主人公ケヴィンと敵対者の美獣についてです。

先日nintendo swichでコレクション出ましたね。
就職したら買おうかな。

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またざっくりしたあらすじです。
世界に満ちるマナの集まる聖域で、マナの樹が枯れ始め、異変に気付いたフェアリーが地上の人間、光の司祭に助けを求めます。マナは地上の8ヶ所にあるマナストーンの守護をしている精霊達を仲間にしていき、その力によって忘却の島のゲートを開いてマナの樹に刺さった聖剣を引き抜く必要がある、と司祭は言いますが、フェアリーにはその力がありません。光の司祭に別の要件で相談に来た主人公は、フェアリーが取り付いたことでマナの漏出を防ぐ役割が与えられていまいます。自分の目的のために最初は断りますが、結局行き先が一致してしまったりフェアリーが別の人間に取り付くことが叶わないため、仕方なく同行します。しかしそのマナストーンとマナを巡る戦いこそが、主人公の求めるものを得るための道筋でした。

 

ということで知ってる人も知らない人もいると思いますがゲームのシステムにも触れます。
このゲームは主人公6人の中から、主役1人と仲間2人を選ぶことで物語が進行します。メインストーリーは主役のものとなり、主役は2人ずつ作中の3勢力のいずれかに属するバックボーンを持っています。
主人公はいずれも15〜19歳程度の若者であり、何らかの要因で身近な人間(ケヴィンの場合は狼)を失っています。
その中で共通のバックボーンを持つケヴィン、シャルロットは、死を喰らう男という道化師と死神を足したような男を共通して追うことになります。この二人は出生が他のキャラよりも特殊で、ケヴィンが獣人族と人間のハーフ、シャルロットがエルフと人間のハーフです。まぁアンジェラも耳尖ってるしちょっと人間じゃないっぽいけど。

 

ケヴィンは獣人族の出身ということで、ハーフとはいえその能力としてはほぼ獣人そのものです。主人公達の中で唯一、夜間(このゲームにはざっくり昼・夜の時間の概念があります)に獣人になり、大幅に攻撃力が上がった状態で戦うことができます。
変身もドット絵ながらちゃんとシーケンスがありますし、獣化という特性が生きています。
また彼のシナリオは父親が獣人族がぶったるんでるのでもう少しシャキっとせいよ!という思いから起こっています。実のところ獣人の国であるビーストキングダム(と城下のミントス)は戦力は高いもののあまり大きな国ではありません。ケヴィン・シャルロット以外のシナリオではあっけなく負けてしまいます。
そこで、獣人王(のちのヒーローズ・オブ・マナでガウザーという安直な名前が発覚するそうですが)は人間に攻め入るという目標の元、獣人の兵達を育てました。ついで、どこか不器用で育ちの悪い息子のケヴィンにはカールを凶暴化させてけしかけるという、死を喰らう男の案に乗り、自分を憎ませてその力を高めさせます。
ビーストキングダムでの戦闘はそのほとんどが獣人族の人狼か、その友の狼とのものになります。変身自体はケヴィンまたはルガーしか行わないのであんまりシーケンス的な見所はないですね。
獣人が多く住まう国、というのはそそられますし、そういった環境と人間との社会的な軋轢もなかなか面白いと思います。

さて、それとは別に名物獣人とも言える美獣の存在があります。
物語の途中までは非常な美女として描かれますが、冷徹な言動や他人を惑わす様子は悪役そのものであり、主人公がホークアイまたはリースの時にかなりの間その姿を目にします。
戦う際の姿は白い猫的な獣人の姿であり、しなやかに動きます。青紫の髪の毛っぽいたてがみや尻尾の動き、手足のまるっこさなど、ケヴィンがガッチリめの人狼なのにたいし、美獣は大きな猫科動物という感じです。回復中に小さくなってるとマジで猫。
シーケンスはほんの一瞬ですが、最近別のゲームに出張しているようなので、その辺で見ることができるかもしれません。

 

いずれも人間が感染する形であったり、人間の形を渇望しているものではなく、獣の姿も自分である、という種のお話なので、多少物足りなくはあります。
ですがケヴィンのように出生や種族的な軋轢に悩む姿や、美獣のように蠱惑的な自分を活用している(ケモナー的には獣姿の方が惹かれますけども)様子が良いです。
以上、『聖剣伝説3』でした。