変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『ブレスオブファイア』シリーズのドラゴンは獣化か人化か

ブレスオブファイア』シリーズは不運のRPGと言われていたことがある、と人に聞いたことがあります。本当昔の話なんですが、売り上げが常にDQシリーズ、FFシリーズに取られている感じがある、と。小売店の方の話なので本当がどうかは別として、いわゆるスクエニ作品に比べて若干知名度に欠けているのは確かかもしれません。
そんなわけで、今回は『ブレスオブファイア』シリーズについて触れます。
私は無印〜5までしかプレイしていない上、5はクリア出来なかったので、
ある程度、になります。
あと6はソシャゲなので手を出していません。ソシャゲ怖い。FGOはできるけど。シノアリスもやってるけど。あ、シノアリはフレンド募集してます。FGOはキャラ枠購入をはよう。

って怖ッ。
全シナリオ公式から見られるようにしてある怖ッ!

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いや…すごい、なんていうか、ゲームって保護機関や保存機関がないのでこういう試み必要なんですよね。可能な限り解放してあると後から…こうやってね、振り返って記事にしたりプレイ環境なくなってアワアワしてる古参ファンに優しいからね、どんどんやってほしいですよね。

話が逸れたところでシリーズごとのざっくり解説です。
それぞれ違う年代にプレイしているのもあってあえて年代指定はしない方向で。

●根幹を為す『ブレスオブファイア』●

ブレスオブファイア』はSFCのソフトウェアで、いわゆる鳥瞰視点のRPGです。
主人公のリュウは白竜族の子孫です。ミリアという古代に封印された邪神の復活を企む黒竜族が白竜族の村を襲い、リュウの姉が一時的な石化をさせて白竜族を石化させ、自分一人だけが犠牲になる形で村を救います。姉を救うという目的がほぼイコールでミリアの復活の阻止に繋がる形で旅に出るリュウ
システムとしてリュウは初期のうちはドラゴン変身能力を封じられていますが、封印を解くことでドラゴンに変身する能力を獲得します。ドラゴンに変身するとブレス攻撃ができます。おぼろげなんですが確かドラゴン状態でHP全回復、HP0で人間に戻る仕様だったと思います。
またのちのシリーズでは種族名のようになっているマニーロは大魚に変身して水中をノーエンカウントで進む、ダンクは秘術によって仲間数名と合体して強力な技を使えるキャラクターに変身出来る、そしてこのシリーズのニーナは先祖から引き継がれてきた能力で大鳥に変身できます。
ひたすら変身要素が多い上、敵も割と人間に擬態していたりするので、変身要素がめちゃくちゃ多いです。あっちこっち変身してる感じ。

 

●仲間の変身もある『ブレスオブファイア2』●

ブレスオブファイア2』もブレス初代を受け継いだ形のRPGです。
こちらも基本のアウトラインはそれほど変わらず、父と妹と三人で生きていたリュウは、裏山で眠るドラゴンの元で眠ると母の夢が見られるという妹に誘われ、一緒に眠ってみる。が、母どころか魔物の目玉の夢を見てしまう。その上目が覚めたら妹はいないし村に帰ると誰もリュウを憶えていないし父も行方不明で突然天涯孤独に。たまたま元々の家である教会に宿を求めて立ち寄ったところ、ボッシュという孤児と出会い、村を抜け出す…という感じ。
結構冒険を続けていかないとリュウがドラゴン系統の種族の出身ということはわからないし、冒険を続けていくとエバ教がセーブとかしてくれてたのに邪神崇拝してましたって方向でシナリオに関わってくるし、難易度も高いとなかなかのやりこみゲー。マルチエンディング。
リュウのドラゴン変身は1ターン攻撃するのみ(だったはず)、タペタという匍匐族(クロウラー)が巨大カエルに変身して移動、ニーナの種族は変身する能力が失われつつあって、一度変身したら戻れないことになっている。ので、この世界において黒い翼を持って生まれてしまった為に迫害されていたニーナに対し、罪悪感から妹のミィナが大鳥に変身します。非可逆だし知能の方もどうだかわからなくて地味に興奮する。
それとは別に各キャラクターが属性を持ったシャーマンと合体することで姿が変わります。究極合体という特定要素を満たした合体でないとダメだし、バチーン!カッ!みたいなあっさり変身なので特に見所という程の楽しみはありませんでした。残念。

 

●ドラゴンの幅が広がる『ブレスオブファイア3』●
こちらはPSで発売されたRPG。斜め上からの鳥瞰視点で、ここからアニメーションがエライ綺麗になります。
とうの昔に女神ミリアとの戦争の果てに滅んだドラゴン、その遺骸は長い年月の果てに貴重なゴースト鉱(魔力を持った生き物の遺骸から生成される鉱物)の温床となっていた。ある日見つかった小さなドラゴンが閉じ込められた巨大ゴースト鉱。モーグとギリーという鉱夫の二人はそのゴースト鉱に爆弾を仕掛け爆発させ、子ドラゴンを目覚めさせてしまう。圧倒的なブレスの力で鉱山を荒しまわるドラゴン。しかし隙を突かれて気絶させられて捕らえられ、檻に入れられて列車に乗せられてしまう。目覚めた子ドラゴンは檻をめちゃくちゃに揺らし、森の中へ落下していく…。
ということで他のシリーズにくらべて最初から「君はドラゴンだよ!」ってめっちゃいってくるシナリオです。実際にドラゴン変身が出来るようになるのは割と最初の方で、今までのシリーズより時間がかかりません。今回から大型ドラゴンになると仲間が一時的にいなくなる(表示されないだけでドラゴンから戻ると戻ってくる)とか、変身がジーンの組み合わせで比較的自由にドラゴンを決定できるのも楽しいですね。
でも個人的に見所はどう考えても虎人(フーレン)のレイでしょう。私の性癖を歪めにきた青年期のレイはアカンの一言です。虎人でいままでその能力の保持者はいなかったと思うのですが、レイにはワータイガーという能力があります。ワータイガーは名前の通り、人虎化します。フーレンだからレンフー…いや、そうじゃなくて。人虎になったレイはコントロールができません。「めいれい」はできますが、つまり混乱状態です。道具も魔法も使えず、防御も逃げることも出来ない。そして「めいれい」(おぼえるスキルなので使えるキャラがたくさんいる)を使う楽しみ。いい…猛獣使い的でいい。です。好き。
他はあまりコレといった面白いシーンはないのですが、バリオ、サントという大型馬獣人二人が融合合体でスタリオン(ウペシウム光線という技名で察して)が結構カッコイイのでそこはオススメかもしれないです。

●変身自体は減るがSAN値を削りにくる『ブレスオブファイア4』●

めちゃくちゃSAN値削りゲーです。序盤からフォウルというリュウに面影の似ている青年と、リュウの世界を行き来します。かたや目覚めた先で知り合った田舎のお嬢さんと人間らしい精神の営みをする。かたや拾ってくれた王女様と一緒にお姉さんを探すと、どちらも何らかの交流から人間を知っていきます。
しかしフォウルの慕った女性は神の復活(ある約束の履行)を恐れた人間に苦痛を与える方法で殺され(頭潰すんですよね…)、リュウはそのフォウルが収める国へ侵入していきます。
最終的に神たる竜とうつろう人の姿のどちらに共感を覚えながらゲームをしてきたかでエンディングがものすごく変わるゲームでした。
このゲームのドラゴンはなんとなくオブジェクトっぽい形状をしていて、置物や彫刻のような感覚を受けます。そのドラゴンに変身するリュウとフォウル、それ以外にはあまり変身はしません。ただ、以前のシリーズに比べて竜族が人種の一部であったり、あるいは人間に変身するとは知られていないなんらかの異常に強い生物だったのに対し、珍しくきちんと神と定義されています。
そういう意味では人から竜というよりは竜が人に擬態していたという感じが正しいのかもしれません。PS世代No.1鬱ゲーなんじゃないかってくらい鬱ゲーですが、シナリオがすごくよかったのでコミカライズが欲しいなぁと思っています。

●変身要素がさらに減る『ブレスオブファイア5』●

こちらはD値削りゲーです。何言ってるんだって感じですが、全体的にはそんな感じ。
主人公リュウは最初のうち「ローディ(Low-D)」と呼ばれるD値なる値が小さい人物として登場します。ボッシュ(今回はライバル)と共に任務にいきますが、途中気を失ってしまいます。その時に不思議な声を聞き、ボッシュに起こされて任務は続行。しかし護衛していたリフトが襲撃され、荷物とリュウは落下してしまいます。落下した最下層でさらわれそうになっていた女の子、ニーナを助けたことからリュウの運命が大きく変わっていきます。
そもそもドラゴンがこの世界では過去の遺物、あるシステムという扱いでした。D値とはドラゴンとの親和性を示す値で、序盤で1/8192だったD値はSOLというシステムの元、徐々に高まり、最終的に1/4にまでなります。しかし通常ストーリーに現れる人々はD値はなんらかの値であり、低ければ空気の悪い下層での暮らしを強いられ、高ければ要人にもなれるものとして扱われています。
こういった関係でリュウは大変不遇な扱いを受けています。そんなリュウが何故か奇跡的にドラゴンのアジーンから同調を受け、ドラゴナイズ能力に目覚めます。
しかし今作はそのドラゴナイズがほぼ最初から最強能力なので新たなドラゴン能力の獲得などもなく、ドラゴン時代がある種のシステムということで獣化といっていいかはよくわからない感じです。
とはいえ面白い要素ではあるし、じわじわ侵食されていくストレスを感じるのには楽しめる感じでした。
私は時間がなくなってしまってクリアできなかったのですが、実際SOLの運用がもう少し分かっていたら楽しめたのではないかと思います。

 

という感じで竜化を楽しみながら他のメンバーの変身も楽しむ1〜3と、変身に付随する物語やシステムを楽しむ4、5という感じで楽しみました。
個人的には変身の様子を脳内でシーケンスに変換していくのがとにかく楽しいなぁという感じなのですが、いずれも楽しんでいただけると思います。
ということでブレスシリーズでした。