変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『リベラメンテ』収録『華屋』の亜人化症

鎌谷悠希といえば『隠の王』や『少年ノート』が結構ヒットしたかな、と思います。
かの作家を私が知ったのはGファンタジーに掲載された初めての読み切りでした。
掲載タイトルの『華屋』です。

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この本に収録されています。
あえてあらすじは掲載しません。これは個人的に十年以上経過してもツボに入っているらしく、是非手に取って欲しいと思うのです。
タイトルで検索すればある程度イラストなども見られるので、

この頃にはもうだいぶ自分の性癖を分かっていたところもあるので、
虐げられる主人公の亜人(わりとモフいパーツで構成されているが人間っぽい)
亜人は人間であることを主張する
亜人化は医者が診断して抑えている
ストレスで亜人化が加速
と割と美味しい要素に食いつきまくり、コレは面白い、と何度も読み返しました。
シーケンス表現こそないものの、主人公の友人となる比較的大人しく華奢な少年が、モフモフで三つ目の種族不定獣人に変身するのはなかなかそそります。
またそういった亜人化を起こすと暴走して破壊衝動から周囲を壊して回るような様子も見受けられました。
最終的にはほとんど人間に近い主人公程度の亜人に変化が抑制されます。
状況としては大人しい終わり方ですが、そもそも亜人化が寒さに強いヒトを生みだすための生体実験が由来しているなど、細かい部分を見ると妄想も捗りまくりでした。

元々多分かの作家さんは「人の変容」に興味が強いというか、そこを描くことを大事にしている傾向があり、他の収録話も濃度の差こそあれど、全て変容の様子が描かれています。
また私は『隠の王』は残念ながら未読なのですが、『少年ノート』は途中まで、思春期の心理の揺れ動く様子を描いており、また最近連載が始まった『しらなみ誰そ彼』は不安定な性についての揺れも描かれています。
ということで作風だけでも分かってもらえればと思うので、『しらなみ〜』のリンクを。

urasunday.com

話数が早く進んでしまうのですが、1話だけでも参考になる部分もあるかと思います。

いずれ余裕があるときに亜人の姿も写真で小さく掲載できればと思います。