変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『ふしぎなやどや』或いは子供向け『板橋三娘子』

毎日毎日働く社会人

安月給 パワハラ イヤになっちゃうよ

 

ってことで本日も四時間ほど残業してる人です。勤務態度は多少悪いかもしれませんが(スマホや検索サイトちらっと見たりとかね)比較的勤勉だと思うんですよね。仕事投げ出したりしないし、可能な限り要求が酷くても応えてる。

私が仕事を辞めるのは昨年十一月から部署の統括者になった執行役員が間違った張り切り方して「お前よりも安い給料でもっと働くやつはいくらでもいる」「代わりはゴマンといる」「お前ら三人でやってる仕事の量を、俺なら寝ないで半月で終わらせる」とか豪語しちゃって、他の役員や肩書のある人が一切止めに入らなかった事が原因です。会社名バラしたい。部下というか後輩もみんな辞めたし、あとは駄目になる一方なんじゃないですかね。

そんなわけで怠け者のレッテルを貼られてる愚痴を終えたところで、タイトルの話に戻ります。

『ふしぎなやどや』は福音館書店から出版されている絵本です。絵本だからと侮るなかれ、上質なTFシーンがしっかり盛り込まれてます。初めて読んだ時は丁度図書館通いを始めた頃でした。今は自宅に所持しています。

せっかくなので写真を貼ります。

 
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表紙はこんな感じ。板橋三娘子で検索をかけると全文読めるので私からのネタバレは画像と特定シーンだけにしようかと。

趙(ちょう)という男が旅の途中、評判のいい宿に泊まることにした。その宿の女将は一人で、名を三娘子(さんじょうし)という。その夜不思議なものを見た趙は、三娘子が寝床で得た蕎麦粉から出来たものには手を付けまいとさっさと宿を出て、外から様子をうかがう。朝食として出された焼餅に、泊まっていた旅人達が手を出した途端
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これである。ロバにされた男達は宿屋の裏に繋がれた。ちなみに板橋三娘子では怠け者どもはロバにして働かせましょうね、というような三娘子の台詞もある。

それを見ていた趙は、どうにかして三娘子を懲らしめようと(板橋三娘子ではその魔力を掠め取ろうと)する。

暫くの後、趙は再び三娘子の宿を訪れた。一人だけの宿泊だった。もてなしを受け、翌朝あの焼餅が出される。趙は事前に仕入れていた別の店の焼餅を素早く入れ替え、「たまには他の店の味もどうですか」としれっと三娘子に勧めた。

三娘子がその焼餅に口を付けた途端、
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「ヒー!」と一声鳴いて三娘子はロバになってしまう。

以下略!

 

という話。ちなみに成立が830年代くらいらしく、ピノキオよりも1000年も早く怠け者をロバにしてやる!という気概の見える物語が語られた事になります。

当然ながら幼少期である為、私はこの物語の後に怠け者にならないようにしようという自戒くらいで留まっていましたが、読み返した回数は何度になるか分かりません。きっかけがあって家における事になってからは少し落ち着いたものの、図書館で借りた回数は凄かったに違いない、と。

ロバになる際に旅人達が、均一でない変身をする感じとかはディズニーのピノキオを見た後の私にはドキドキザワザワのシーンでした。

特に頭からの人と足からの人という差は何か深いものを感じずにおられません。半端に終わる人がいないのか、自我はどうなるのか……と言葉は分からないながら、そのような事を考えていた覚えがあります。

何か罰せられるような形のTFはこの後更に目にする事になりますが、いつしか私の根幹の一つの作品となっていたのでした。