変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

ちょっと待ってみてたんです、『鬼哭の童女』

どうも、だいたい月一くらいの更新ですね。もう少しスピードアップしたい。

先月ウルトラジャンプで『オオカミライズ』が始まったと聞いているんですが、概要がつかめず、またワープア状態に陥りつつあるので購入断念…
近いうちにちょっとお小遣い稼ぎができたら電子版で買ってみます。
皇国の守護者』の漫画描いてた人なので楽しみですね。

で、今回は別の作品を紹介します。
私の大好きなマグコミで連載が始まったばかりの『鬼哭の童女』です。

リンクはこちら。

comic.mag-garden.co.jp

内容はほぼ書いてある通り。
酒呑童子が葵という少女に取り憑き、隻腕の茨木童子と共に、
復讐と復活のために京へ向かう、というお話し。
主人公の茨木童子は基本的には人の姿に擬態して行動しており、
葵も通常は葵の人格を保っているのですが、
戦闘時には茨木童子は牛と犬を足したような鬼の姿へ、
葵は酒呑童子の人格が表に出る形へと変わります。
ここまでだと「魔物から人に変身してるだけだなあ」と思っていたのですが、
最新話(現段階で3話)で「お?これは?」という表現があったのでご紹介します。

最新話では前話で源頼光と相対し、茨木童子たちが何らかの意図を持って見逃された、
というところからです。
源頼光平安京主上とその側近に対し、前話の内容を報告している様子です。
ところが、周りの偉そうな人たちは頼光と藤原保昌に対して疑念や嫌悪を向けています。
また頼光も「追儺面」と呼ばれる面を被って外そうとしません。
それに対し、
「頼光とその郎党は
 鬼の呪いで顔が醜く
 爛れておるとの噂は
 真であろうか…」
「あまり関わると
 呪いをもらうやも
 しれぬ…」
「穢れを祓う者の身も
 また穢れておるわ」
とのコメントされます。
ただ、現状見る限りは頼光たちはいたって普通の、鬼を退治したと言われる人間にすぎません。
しかし、今回後半、前回遠距離射撃に徹していた卜部季武
茨木童子達の前に姿を現します。
そして、葵がもともとは渡辺綱の子供あることを話しながら、
葵を返すように求めてきます。
茨木童子がそれに抵抗すると、季武の姿は一般に言う烏天狗のようなそれに変化しています。

茨木童子と違い、シーケンスはありません。
ただ、変身後の姿は頭部以外、中途半端に鳥の要素が混ざっているように見え、
いささか病気っぽさを感じます。
これが上記の偉そうな人たちの話と合わさると

・鬼の討伐を行なってきた人たちは呪いによって醜い姿になってしまう

という仮説が成り立ちます。
酒呑童子のセリフから、鬼が大江山に閉じ込められ、
労働力にされていたとの発言もあるので、
もしかしたら大江山という環境などが引き金になっている可能性も考えられますね。
ただ、通常の季武が普通のお兄さんであることを考えると、
あるいは安倍晴明の話もありますので、
何らかの形で隠蔽ができたりするのかもしれないですし、
もはや呪いではない可能性とかもあります。病気とか。大江山病的な。
いずれにせよまだ連載は続いているので、
今後の展開が楽しみですね。

ということで、『鬼哭の童女』でした。
私個人的に超好きです。
設定のチラ見せと絵柄のわかりやすさでめっちゃサクサク読める。