変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

ほぼ趣味の話の『PSYCHO-PASS』とちょっと雑談

どうも、転職活動も終えられて、脱ニートにつき連続更新はこれで最後になりそうです。

編集とちってしばらく過去の日付に投下されてましたので上げ直しました。やらかし!

二ヶ月くらいでしたか、概ね60作品ほど上げてきましたが、そろそろネタも尽きてきつつ(というか調べたりする時間が長くなりがちなものが多いというか)あるのでいい頃合いです。
まとめるのが難しいものとかもあるので、一度シメ、ということになりますね。
たくさんの閲覧ありがとうございました。
生まれてきてこういう何かの発表で充実感のある閲覧数、要するに自己顕示欲を満たせたのが久しぶりで、ちょっと興奮しながら更新してきました。
今後は思いついた時に思いついた作品の話をぽろっとするくらいになると思います。
日頃はtiwtter二次創作アカウントkedamono_0k0FGOとかディズニーとか創作の話をのんびりつぶやいています。PSYCHO-PASSwikiとかもなんか作ってるなぁっていう感じです。
TF方面は気が向いた時にhasubamiというアカウントでぽろっとしたりしています。今後TFでテーマを絞ったアンソロジーを出す予定があります(お金の問題で2017年中に出せなかったですね…)。
また概ね今後はFGOをメインに同人誌を出す活動をしますが、同時にフォウくんのきぐるみとかでモフモフと歩き回る予定でもあります。
よろしければ遭遇してみてくださいね。コミケには行けるのかしら…。二日目以降はコスゾーンに出てみるつもりですが。

そんなところで、今回は『PSYCHO-PASS』にスポットを当てたいと思います。
このブログは基本的には肉体の変容を扱うものなのですが、私が現在二次創作の同人誌を出している『PSYCHO-PASS』にも
対外的視点からの動物化
改造動物化
がありますのでそれについて述べて見ます。
いずれもホロが必要な状態ですが個人的に好きなので(色相は濁るけど)あげてみます。今回はかなりグロテスク寄りなので、苦手な方は閲覧を控えたいただけると良いかもしれません。
人がモフモフとかツルツルになるんじゃなくて、人体のまま動物に改造されている形ですので。
あと刊行から1年以上している本なので、不文律?のネタバレ禁止を破っておりますが、ご了承いただきたい。
それこそが語るべき要素なので。

 

 

ひとまず作品の前提については置いておきます。SF作品なのできっちりした世界観が構築されており、その前提について話すとあまりにも長くなってしまうためです。
ただ非常に高度な医療技術の成立した世代(100年後)であり、その時代では骨折程度なら3日で直せる技術があるということだけ述べておきます。
 
PSYCHO-PASS 2』には人体改造動物園とでも言うべき表現があります。割とショッキングなシーンで、視聴していた友人からないわーの言葉もあり、私としてもグロいわー…と思わざるを得ない形でした。具体的には、不法入国した外国人の人体をまるで素材のように扱い、複数人を組み合わせて象の形に仕立てる、或いは他人のパーツで延長したりすることで蛇やワニにする、人体のホロからはみ出すパーツを削って狐やクマやペンギンのようにするなどです。

説明文や動画より資料のほうが分かりやすいので載せてみます。こちらは『PSYCHO-PASS OFFICIAL PROFILING 2』に掲載されているものです。
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そりゃトラウマにもなるよね!

というか趣旨としてのTFとは明らかに違うものということは分かってるんですが、一応これも改造というプロセスを介した人から獣への変化なんだよな…と思ったら俄然燃えました。今後クリエイター紹介で掲載する予定の『犬っこエミちゃん』のような、人の身体を弄り回すタイプの変身も、私はけして嫌いではないというかむしろ好きというか。

掲載はありませんが、作中一番衝撃的な見た目をしていたのはヒグマの中身が露出したシーンでした。

この動物達のうわぁ…狂気…と思うところの一つとして、実は意識があるのは頭部に当たる一人分だけのようであることです。
カバやアルパカは一人分の頭しかないのでその一人の体に継ぎ足しされていることは分かります。蛇は複数の人間の頭部、顔が見えますが、どうやら瞼は縫い合わされています。少なくとも目が開いているのは視界であるべき頭部に使われている一人分だけです。また象は目の部分にある一人と鼻の一人の目が開いているのですが、もしや中央の一人に左右と鼻のやつの視神経繋いだりしてるんじゃなかろうかという不安に襲われてぞわぞわします。
つまり恐るべき改造は、仮にこれが全て成功しているなら、彼らは他人の体を自分の意思で動かす適合手術を受けている事になる点です。足を動かすとずっと遠くにある他人の足が動く、左右の視界が分断されて脳に混乱が起きる…言葉にはできても理解しがたい現象です。いかなるストレスに晒されているかわかりません。TFという現象からするとなかなか見ない状態ですね。
またワニに至っては視界が反転しているという意識なく逆さに生きている可能性もあります。実際視界ってもし生まれてからずっと逆さまなら逆さまの状態で理解できるのでしょうか。あるいは視神経が逆さまと認識しないようにしているのか、脳の接続を変えているのか、少なくともこのワニにはそういう処置がされているのではないのか。
狐とアルパカの顎を開いているのは、おそらく動物の頭部の大きさに対して人間の頭部の縦が長いからでしょうか。きぐるみを作っている時によく直面するヤツです。
いずれにせよ彼らはエサをまともに食べられる状態ですらなく、何を与えられて生きているのかもわかりません。見た目のみが設定として開示されているにすぎないのです。
つまり上記の改造についての考察も私の主観なんですよね…もっと優しい処理をされているか、というとそんなことはないと思うのですけれども。
本当誰がコレをデザインしたのか名乗り出ていただきたいレベルで気になります。
ホロは水に弱く、雨の日や水中では展開できないという弱点があるので、ワニはおそらく岸辺で過ごすことを強要されているか、真ん中にある浮き袋でプカプカして腹部の方にはホロが展開しないようにしているのか。

いずれにせよ一部視聴者の色相が濁っていたのは確かです。
彼らはその身体で生きることの苦しさから、ある人物にその手術を実行した人々(概ね政治家、色相判定圏外の扱いもあるような人たち)と心中する形で焼き払うように頼んだようで、そのシーンは短いながら猛火が表現されていてなかなか凄絶でした。

 

また『PSYCHO-PASS』にはノベライズによるスピンオフ作品群があり、それぞれLENEGD、ASYLUM、GENESISというサブタイトルがついています。
今回は『PSYCHO-PASS ASYLUM』の2巻から『別離』という作品について語ります。語らせろ。

ということでまずは作者の方のブログ。

ryoshigami.hateblo.jp

まだ若いSF作家さんなのですが、『パンツァークラウン』シリーズや『伊藤計劃トリビュート』への掲載など才能が目覚ましいです。『PSYCHO-PASS ASYLUM』『PSYCHO-PASS GENESIS』の執筆は全てこの方です。LEGENDという別シリーズだけはオムニバス形式なので一冊ごとに作家が違う形式ですし、発行してる会社も違います。
所感を述べれば多少しつこい文章を書く傾向にありますが、書いていく内に徐々に洗練されてきている感じがあって、読むのが楽しい作家さんでもあります。

『別離』はメインキャラクターの一人、宜野座にまつわる話です。前提をお話しすると、過去に父親の潜在犯(『1984』『マイノリティ・リポート』における思想犯、予知された犯罪者にあたりますが、実際には「反社会的思考を持ち得る人物」です)落ちしたことで母子家庭となり、母親も死んでしまった後、宜野座はある孤児院のような施設に入居を勧められます。しかし宜野座の祖母が引き取ることとなり、色相が回復したことでそれを逃れます。そして監視官という職業について働いています。

もう勘の良い方はご理解いただけたかもしれません。その孤児院です。
ある事件に関わった折、宜野座は、肉を食べず、前足を一本失ったバセットハウンドのロンを保護します。彼は奇妙な行動をとるのですが、それはある子供達のためにエサを取っていたという衝撃の事実が語られます。
その子供達というのが両親など保護者の潜在犯落ちによって孤児となった子供ばかり。つまり幼少期の宜野座と同じ状態にある少年少女です。
彼らは富裕層の人間に再導入された動物(世界観的に第三次世界大戦があり、日本も戦争と鎖国による影響で各種環境が大きく変わっており、動物が貴重になっています)として飼われていました。それぞれに動物の振る舞いを強制され、ほとんど人間らしい自我もあるようには思えません。さらに先ほども出てきたホロによって動物のグラフィックで見た目を覆われているため、相手もそれに罪悪感などを抱くことなく飼育していたということが分かります。
この話について思うことは、TFの要素として他者から見た自分の変容と、それに付随して変わる精神ということも十二分にTF足り得るのではないかということです。子供達は自分が動物として振る舞わないと虐待されることから、動物として振る舞うだけでなく、精神的にも動物化しています。また飼育者側も見た目と振る舞いが動物ならそれが動物ではないなどとは信じないでしょう。
『別離』の作中では宜野座や執行官がたまたまその糸口を見つけましたが、そうでなければずっと、おそらくホロのサイズに収まらなくなるまで飼育され、収まらなくなったら処分されていたのではと思ったりなどしています。
オチのネタバレをしているのであらすじについては読んでいただきたいので割愛します。しかしなかなかグッときてしまうから私もこの世界に長いなぁと思ったり思わなかったり。

 

そんなわけで、個人的には結構上記どちらのエピソードも好きなのでご紹介でした。
PSYCHO-PASS』を是非よろしくお願いします…!