変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『竜は黄昏の夢をみる』巨匠姫川明月による純TF漫画

どうも、就職活動を終えたいのになかなか終わらない私です。そんなことしてる間に二ヶ月休みなくブログ更新できそうですね…わお…

と言いつつ、そろそろ私の中のTF作品は紹介を終えそうです。多分思い出したら、みたいな感じになるかと。記事のストックがあと二つ、記事になってないタイトルだけのリストが十くらいありますが、そこらへんで一度終わると思います。そうしたら、改めて作品記事をリンクさせながら私に影響が大きかったTF作品について、何が刺さったかを書いていくことにしましょう。

 

今回は『竜は黄昏の夢をみる』です。
姫川先生と言えばケモナーの間でも知られた存在ですので、連載開始当初はかなり話題になったことを思い出します。
恐らく所持している方も多いと思いますので、あらすじなどがうろおぼなのは見逃して欲しいところ。
なお個人的にかの先生が同人誌として発行している『THE WILD LEG』もオススメです。改造ものですがBLとしても他に類を見ない異種カップルでたまらないですよ!

他にもしれっとTF表現を入れてくるいい作家さんなので、今後色々書籍買えたらいいなぁと思っております。多分ゼルダとかそうなんじゃないでしょうか。私残念ながらゼルダ時のオカリナを絶賛3DSでプレイ(止まってる)中という状態なので、有名な狼リンクとか見たことがないのですが…。

 

ということで恒例のうろおぼあらすじ。
世界観としては現代。原型人(アーキタイプ)と呼ばれる人の姿と竜の姿を併せ持つ種族が発見されています。彼の出生がいかなるものかはわかりませんが、その原型人の少年はキヤと名付けられて沖縄地方の島で平澤博士と娘の小夜美と共に、人らしい生活を学びながら人間の世界へと次第に適応していきました。ただしその体は比較的過敏なのか脆弱なのか、綺麗な空気と水を必須とするため、島から出ることは難しい状況にあります。
しかしある日、キヤはを狙う組織『イルミネ』のTJと呼ばれるトラッパー(罠猟師)によって捕らえられ、博士、小夜美と共に暮らした家は焼かれてしまいます。キヤは反抗をする意思を抑制されながら、『イルミネ』で働くことを要請された上、TJとタッグを組まされ、私生活まで共にしながら、獣奴(デイカベイ)(人類との生存競争に破れた知能の高い獣たち)狩りをすることになるのでした。

 

ということでTF要素が結構多いです。まずは以下の試し読みをどうぞ。

竜は黄昏の夢をみる 1 | 月刊コミックジーン COMIC GENE OFFICIAL SITE

試し読みの範囲で十分なシーケンスを拝見できます。大変グッときます。
私爬虫類系のTFは見る分には好きでもあんまり刺さらないなぁと思っていたんですが、こちらのTFでウオオオ…セクシー&エロス…!と思いました。
この後TJによるキツい躾を受けつつ、キヤは獣奴達と対峙します。獣奴達も人間に紛れ込んで生活するため、人間と獣の姿を行き来します。血の薄まったものを雑種として蔑んだり、純血種だけが四つ足の姿に変身(戻り?)出来るとか、設定的にもなかなか刺さりますね。もちろん獣奴の中にも人間と敵対することに懐疑的な人物もいたりして、おお、展開が気になる…というところで2巻が終わります。
これだけ我々にとってご褒美な作品、途中で打ち切られているのだけが残念でなりません。ただ過去に掲載した記事からも傾向がわかる通り、一般的には人の姿を持ち得るキャラは人の姿に固定されるのが幸せ、善、良いこととされる傾向ですので、あまり一般には迎合しなかったのかもしれません。

しかしキヤといいデイカベイといい本当にシーケンスが美しいんですよね、そう、そのあたりはそういう変化するよね!というリアリティもありますし、個人的には所持していて十分楽しめる作品だと思います。
ただ周囲にそれなりにキャラクターがいるのに掘り下げが甘く、駆け足でラスボスの姿を表してしまった感触があり、割と早期に打ち切りなり期限が定められていたのだろうか、という内容の薄さが少々気になったりはします。
多分あと1〜2巻長ければ周囲のイルミナメンバーの話や、平澤博士と小夜美の行方なども描かれていたのではないでしょうか。

 

ということで『竜は黄昏の夢をみる』でした。