変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『魔法使いの嫁』チセが贈られた毛皮

どうも、記事に修正入れたらここで、ということで
対象作品名を羅列します。
『子猫になった少年』
SEX PISTOLS
『ティーンエイジミュータントニンジャタートルズ
といっても読み直しが必要なほどのものではないので、放置でいいと思います。

改めて、今回は記事作成時にアニメ放映中の『魔法使いの嫁』です。
イムリーなので早めに書こうと思ってたのにもう7話くらいですか…早い。
まずはサイトのご紹介。

mahoyome.jp

MAGCOMIにて無料掲載中でもあります。
最新話はこちらから読めます。

comic.mag-garden.co.jp

紹介するからにはそのような要素があるので、それについてお話しします。
まずこちらのマグカップをご覧ください。

ig-store.jp

あんまり可愛いからスクショも貼っちゃう。

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赤毛の狐と長毛の犬がいます。
長毛の犬は黒妖犬、ブラックドッグと呼ばれる墓守の妖精です。
彼は主人公チセと使い魔の契約を結んでおり、名前をルツといいます。ルツは使い魔となったことで人間の姿を獲得しています。シーケンスはありませんが姿を行き来させることができます。

本題はこちら、赤毛の狐です。この狐こそがチセです。
チセはとある妖精などに近い"灰の目"から、贈り物と称してある毛皮を被せられます。たちどころにチセの姿は赤毛の狐となり、彼女は本能、というより漠然とした感情の赴くまま駆け出してしまいます。エリアスは自身も四つ足の形態になって追っていきますが…
という話が展開される時の姿です。
彼女が被せられたアイテムがいわゆる人狼化に必要なアイテムであることがのちに分かります。また世界観として人狼種族と人狼化したい人間(ないし人狼でない生物でしょうか)がいることも分かります。
その毛皮自体は狼のものなのですが、毛皮の効用としては「使用者の希望を叶える姿」に変わるようです。突然の狐化はおそらく前後の話の要素かな?と思いますが、あるエピソードでは熊になり、また別のエピソードでは本当に狼になります。
嬉しいことに少しだけですがシーケンスがあります。
また毛皮の使用中は少し自我があやふやなところがあるような表現も若干あり、本能に流されないために、変身した目的を反芻しておく必要があるようでした。

とにかくチセ狐、チセ熊、チセ狼が可愛いんですよ。
狐の時に楽しいから、とどんどん進んでしまう無邪気な姿は、通常作中で見られる抑圧が強いチセの性格とは乖離していて、どちらかというと好奇心や新しいものへの出会いを求めているように見えます。また熊になった時は人探しのために、おそらく小さな隙間などをこじ開ける力を求めて熊になったのではないか、と思います。もちろん…クマなく探す、という言葉通りの変身をしたのかもしれませんが(笑)
狼への変身はいささか特別に扱われている傾向があり、人狼とは狼を畏れ敬う信仰によるものであったことなどから、チセが狼になれたのは、狼そのものの力を借りることができたと言えると思います。この時彼女が探しているのはエリアスであり、彼女に取って大事なものを探すという行動には大きな助けが必要だったのでしょう。

上記エピソードは確か全部6巻に収まっておりますので、そこだけ買うのもアリだと思います。

 

また最新の状態で、チセはあるドラゴンを助けに赴いた先で、そのドラゴンが恐怖心から生み出した力によって呪われています。左腕が異形の形となっていて、魔法の拘束具で無理に人間の腕のように保っていますが、このままでは遠からずチセは死んでしまう…というところです。
一部の変化ですし今後どうなるかは分かりませんが、気になる要素ではあります。

また妖精の国にでは興味深い現象も見られます。医者のシャノンという妖精に出会うと、彼女がチェンジリングという人間に育てられた妖精であり、取り替えられて妖精の国で育った人間の子供、シャナハンはその体を妖精のものとして、いわゆるケンタウルスの狼バージョンのような姿をしています。さらにチセにも、妖精の国にいれば人間は妖精に近づいて、最終的に妖精になる、という話もされています。

さらにはカタルフィスという人物(?)によって人間や獣、あるいは妖精などを組み合わせた形の生物が作られている様子もあります。

 

複合的に様々な要素が面白さに繋がっていき、非常に読み応えもある作品です。
興味があれば是非見ていただいてほしいし、チセの変身の様子が今後何かまた面白い要素を持ってくれるのではと思っています。

ということで、『魔法使いの嫁』でした。