変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『DOGS/BULLETS&CARNAGE』ケルベロスの脊椎の移植

今をときめくイラストレーターの一人、三輪士郎氏。
私は初音ミク楽曲や『セブンスドラゴン2020』のキャラデザインでも知っていますが(もちろんスパセルの活動も)、『DOGS/BULLETS&CARNAGE』(以下DOGS)を強く推したい。
ということで今回はDOGSです。

 

人によってはイラストレーターとして活動のある方の漫画ということで「オシャレ漫画だろ」と思う方もいる…ということは承知しているのですが、承知してもやる。いやいやそれだけに足るものがあるのです。
DOGSは現在連載中断になっているので追うなら今だと思いますし。

 

恒例ざっくりとしたあらすじ。
主人公ハイネは何でも屋をやっている。街は地上と地下に分かれており、コンビを組む情報屋のバドー共々地下を駆けずり回る日々。直刀、ミハイと知り合うきっかけもあり、それぞれの人生のケリをつける機会が回ってきたことで地下街のさらに地下で行われてきたことに向き合うこととなっていく。というのが大筋。
正直色々な要素が絡み合うので上記の4人を主人公にした群像劇です。
その中で、ハイネはニルという翼を持った少女とあるきっかけから知り合い、匿うことになります。彼女は翼の代わりに声帯を失っており、そのように作られた、ということが語られます。
他にもイノシシや犬、猫、牛、ウサギなど様々な動物の要素を持った亜人が存在します。いかなる理由によってか彼らは地下街でそれなりの数が生活しているようです。
また見た目の物珍しさから人身売買の対象にもなっている様子。
彼らの存在ももちろん非常に魅力的ですが、この漫画にはTFシーンがあります。

 

まずはこちらのサイトで10巻冒頭をご覧ください。
本当は9巻途中あたりが見たかったけど。

ultra.shueisha.co.jp

冒頭から人狼がいるのが分かるでしょうか。
またガスマスクをつけた巨躯の存在もあります。
彼らはどちらも「ケルベロスの脊椎」というキーアイテムを移植されています。
これは高い戦闘能力と不死をもたらすもので、主人公ハイネ、そのライバルであるジョヴァンニ、さらには教会の牧師ビショップ、地上の街の市長ツェルナーの背にもあります。
これらは適性があるらしく、不適格な場合は人格や肉体の崩壊を引き起こしています。
この漫画のキモ、全ての元凶はこの「ケルベロスの脊椎」の存在です。
アンジェリカという地下研究所のトップの女性が、この脊椎を使った使い勝手のいい兵士として使っているのが巨躯のガスマスク達です。どうやら脊椎の移植は後天的に行われるようなので、おそらくは脊椎の効果で肉体が変異していると思われます。ちょっとゾクゾクしませんか。
胸部の肥大や両腕の延長、爪の発達なども含めてかなり異形感があります。
また人狼っぽい、顔が分かる方も同じく脊椎移植による後天的変化です。しかもある程度選択的に変身のタイミングを測れるようで、移植された人物も力の行使として認識しているようです。そしてガスマスクとの最も大きな差として、モフい。モッフモフです。そしてさらに狼っぽい顔になる。これはもうなんかケルベロスの名に恥じない姿だと思います。前者のガスマスクにはシーケンスがありませんが、こちらのモフモフたちにはシーケンスがありますので、そこもまた美味しさでしょう。

ということで、スタイリッシュな絵柄でTFシーケンスが見られるし、世界観も個人的にはツボに入りまくっているので最高!ということでオススメの一作、DOGSでした。