変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

『リンダキューブ』または『リンダキューブアゲイン』

どうも、今回はPCエンジンプレイステーションセガサターンでリリースのあった『リンダキューブ』に触れたいと思います。
とは言え、私が実際にプレイしたのは『リンダキューブアゲイン』のみなので、概ねその話になると思います。以下記事内ではシリーズひっくるめて『リンダ』とします。あえて違いを挙げる時には正式名称で。

『リンダ』の概要として、テラフォーミングするまでもなく人間が生きる環境が整っていたネオケニアという惑星が舞台です。地球出身者と原住民ビースチャンが生きています。ざっくりいってビースチャンは髪の色が青やピンクなので割とすぐ分かります。あんまり主要キャラにはいないけど。それらが生活しているネオケニアに8年後死神と呼ばれるクッソデカい隕石がぶつかり、それは確実に星そのものを破壊し尽くすことが決定しています。そこへ空から降ってきた箱船に、神と名乗る人物から「この惑星にいる全ての動物をつがいにして積み込んで、最後に人間のつがい乗っけて出発せいよ」と言われます。半信半疑にしかなれないそのお告げに、何故か政府はゴーサイン。レンジャー(この星の警察・消防などに相当する人たち)達はそれに全面協力するという形になります。が、乗組員はなかなか決まりません。女性の方は真っ先に挙手したリンダというケンの幼馴染が立候補。結局周囲に押される形でケンも…というのが共通シナリオ。ABCの3シナリオはこれに加えてそれぞれ小さな際が生じます。Dについてはもう立候補して7年ダラついた後っていう設定です(笑)

ここでケンとリンダに課せられているのは、箱船の船員登録をし、その後は船に捕らえた動物を登録しながらシナリオクリアを目指します。ABの方はそれぞれ世界観を彩る内容になっており、その為入れるエリアにかなりの制限があります。特に地下、恐竜は絶対にノータッチになります。Cはそれらのパラレル要素、別時間軸でのひたすら動物を捕まえられるシナリオですので、全てのエリアへの出入りが可能です。
でもどう考えてもABプレイしてからCの方が面白いので、ぜひプレイして欲しいところです。
なお動物は手持ちのカーゴの中に入りますが上限が決まっています。カーゴに捕らえるに当たってはポケモン方式で殺さない程度にすると勝手に収まってくれます。

『リンダ』における「◯◯少年」「◯◯少女」という獣人形態

要点として箱船の存在がありますが、箱船は登録された人間のつがいと肉体的な繋がりが発生するようです。動物を登録する度にケン、リンダの二人に強化が入り、序盤に動物を20種も手に入れた頃には各ステータス20ずつくらい向上しています。
同時に一部の動物には「◯◯少年」「◯◯少女」という変身形態を獲得します。ブログ的にはコレが主眼だよね!
あんまり見た目的にカッコイイとかじゃないです。むしろややグロい。ちょっとクトゥルフ感じちゃう感じ。イカ少年とかイヌ少女っていう塩梅です。そしてある系統に分かれており、その系統に含まれる動物の何を最初に登録したか、で名称が変化します。
例えば、リンダには体を舐める、遠吠え、ステロイド注入、銀世界(フィールド変更)という能力を持つ系統があります。仮にイヌ系統と呼びます。この技は登録される動物に対応していて、イヌ(舐める)、オオカミ(遠吠え)、ヒョウ(注入)、ペンギン(銀世界)となっています。序盤で捕まえられるのはイヌなので、イヌを登録すると、体を舐めるの習得と同時に、身体の中にイヌ少女を飼い始めた、という文章が表示されます。そして戦闘中に変身が可能になるわけです。この時、イヌより先にオオカミ、ヒョウ、ペンギンのいずれかを登録することで、表記をオオカミ少女やペンギン少女という形に変更できます。私はオオカミ少女がどうしてもやりたくてイヌの登録を遅らせました(笑)まぁ、だからって見た目が変わったりするわけじゃないんですけどね。
詳細は実況動画などで見ていただければわかると思います。シナリオ的に言及されないし、フィールド上で使われないのでただバトルが楽しくなるだけです。


エモリの変態

シナリオBにてエモリというマッドサイエンティストと相対します。彼はシナリオ中で娘を失い、そのクローンを作り上げていたことが分かります。その娘のクローンはただのクローンではなく、人間の皮を被った昆虫人間ともいうような異様をしたレーザー射出可能な生命体でした。その娘は冷徹なアンドロイドのように育てられますが、ケンとの交流のうちに人としての心というか、生きたいという希望が芽生え、最終的に父を裏切ります。
裏切られた果てに父であるエモリは復讐のために箱船に現れます。箱船の乗組員室(出発の指示を出す部屋)に行くと、目の前で寄生虫に侵された姿に変形します。
割とキモいです。いや、個人的に長い虫とか苦手の部類なので。だって舌が虫に置き換わってるとか身体のあちこちから虫が出てるとかキモち悪いの一言だと思うんですよね!マジで!
そんなわけで結構キモいのがきます。
正直シナリオAのヒュームよりトラウマです。

 

PCエンジン版・文庫版におけるネクの変身

PCエンジン版と文庫版『リンダキューブアゲイン』ではケンの双子の弟ネクが狐獣人に変身するシーンがあります。とりあえずPCエンジン版のをどうぞ。1分まで飛ばすとすぐです。

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この時代にこれだけしっかりしたシーケンスの(カクカクでも)アニメーションってすごいですよ…あと個人的に矢尾一樹の演技は最高だな!って感じです。
これが文庫版だと死にかけた時に獣化する因子が暴走して半獣状態でリンダににじりよったりする描写があったりします。
個人的にはPCエンジン版が好きですね。なんか可愛いし。

ちなみにこの変身の要素、ビースチャンの血筋にしか発生しない的なことがうっすらシナリオで語られているようです。これはケンもどこかでビースチャンの子供であった、ということらしいのですが、ちょっと不勉強で分かりませんでした。

 

以上、『リンダ』における変身シーンでした。
稀代のグロゲーですが個人的にはシナリオ、ゲーム難易度、システムと全部にハナマルつけたい。
あと声優さんの演技に惚れ惚れとするという意味でもいいゲームです。
もっというと動物の見た目がモンスターじみていて、生態系的なところで興味が尽きません。
PSvitaでもプレイできるんでしょうか。もし媒体があればぜひプレイしてみて欲しい一作です。