変身譚録

人が何かに変身する作品について話してみる

手塚治虫と言えば『バンパイヤ』が外せない

そりゃー有名なのはアトムとかブラックジャックとかリボンの騎士なのはわかっているのですけれどもね。
どうも、今回は『バンパイヤ』について触れようと思います。『きりひと賛歌』や『ウォビット』『ザムザ復活』なども今後何か掲載します。

この項目では漫画版だけに触れます。ドラマの方はほとんど見ていないに等しいためです。


古い作品なので私の主観で初めて触れた時の話を。
我が家は父が週刊少年マガジンを買うので、私も便乗して読んでいました。
その折、ちょうど手塚治虫漫画の文庫版が刊行中で、広告を発見、『火の鳥 太陽編』にてクチイヌ(犬神)の姿を見た私は、おや?と思い、書店に足を運びました。
そこで初めて手塚作品を数多く見て、中でも『バンパイヤ』という作品に目をつけます。
表紙に明らかな獣人の姿があり、ケモナーでもある私は目的から逸れて、『バンパイヤ』に釘付けになりました。

 

その時の文庫がこちらです。

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正直今ならkindle版もある全集文庫がいいかもしれないですね。

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当時まだそれほどインターネットが盛んでなかった時代で、私はなんとか内容を知るために図書館に出向き、手塚治虫関連の書籍から何か読み取れないかと探しました。
もはやネットでも見つけることができないのですが、手塚治虫作品における「生き物」をとりあつかった書籍があります。その書籍にはどういう動物がどの作品に、どのような役割を持って描かれたかが記載されていました。私はその書籍の中に「獣人」や「バンパイヤ」の項目があることを期待しましたが、残念ながらそれはありませんでした。しかしオオカミの項目、そしてその中にある「ウェコ」、項目にもあったその名前を調べたことで確信を得た私は、再び書店に出向き、夏の暑い日にバンパイヤ3冊、当時11歳だった子供には高い買い物をして、それが今でも大事にされているわけです。
図書館で得た確信というのが、トッペイについての記載でした。トッペイが夜泣き谷の出身のオオカミ男であるという記載、そしてウェコが細胞を膨らませたり縮ませることで変化する生物であるということ、この2点は私に書籍の購入を踏み切らせるのに十分だったわけです。

 

私の琴線に触れているというか、今でも手塚先生の凄さと思っているのですが、トッペイが変身した狼はトッペイの顔をしてるんですよね。もちろんチッペイやルリ子などもそうです。モブキャラや円山などの例外こそありますが、アリゲーターやその部下のウミヘビ男、西郷を襲った虎男と、概ね人間の時の面影を…あるいは動物に似た様相をしていて、キャラとして判別がつきやすいわけです。
鼻先のラインを使うとか、目元や髪型を残すことで行われているわけですが、それが普通の動物との境界になっている場面もあり、なるほど、と唸ったものです。
今でも漫画によっては作画で雰囲気を変えて動物と獣人のラインをはっきりさせているものもあるかもしれないのですが、今記事を書いているこの状態では正直言って思い浮かびません。
『バンパイヤ』という作品は古くはありますが、やはり一種のバイブル的な位置にあると、私はそう思うのです。

 

あとやっぱり体のラインがね、エッチな動物が多いですよね!
手塚先生のそういうとこスキ!